シラネアオイの小径
斑尾高原は北信五岳(妙高山 黒姫山 戸隠連峰 飯縄山 斑尾山)の一つ斑尾山の標高1000mの山麓に開かれた高原で、日本海側の気候と太平洋側の気候の両方の影響を受ける地域で、冬は大陸の寒気団にさらされ、豪雪地帯となり、夏は爽やかな高原特有の気候となり、春、夏、秋と四季のはっきりした気候となります。
そのため水にも恵まれ生物多様性の要素を多く持ち、動植物が豊かに育んでいるエリアとなっております。
その豊かな自然環境の中に、斑尾高原のシラネアオイの花も古くから多く生息しておりましたが、観光開発や自然環境の変化、または盗掘等によりその数が激減してきました。
そこで我々「遊歩会」のメンバーが2006年よりシラネアオイの復活作戦を開始して、現在咲いている花の種を採取して種から育て、3年物の苗をシラネアオイがお気に入りの湿り気のある沢筋や北側の斜面に植栽し、その数を増やしてまいりました。
取り組みから18年経過した2024年には約6000株のシラネアオイの花が咲くようになり、全長12.2kmのシラネアオイの小径は春の山野草の宝庫となり多くの山野草の愛好家の方達が楽しんでおります。
シラネアオイとは
シラネアオイは日本固有の植物で、日本のみで見ることができる日本を代表する特産植物といえます。
キンポウゲ科の1属1種
日本名は「白根葵」と呼び、これは白根山に多く見られ、花がタチアオイに似ていることから和名での呼び名となりました。
花の色は淡紫で径10cmほどの大きな花を開く、花弁はなく、花弁状の萼片(がくへん)が4枚あり、果実は扁平(へんぺい)でやや四角形の袋果で、広い翼を持つ種子が多数あり茎の高さは40cmから60cmとなります。分布は中部以北の本州から北海道の日本海側の多雪地に多く見られる。
斑尾高原では雪解けと共に芽が伸び、5月の中旬頃から6月の下旬頃が花期となります。
別名「山芙蓉」「春芙蓉」とも呼ばれております。
★今年も”ガイド付き山野草鑑賞トレッキング”は4/20~6/9まで開催しています。
シラネアオイの小径トレイル
シラネアオイの小径は山の家から沼ノ原湿原にゆく道路を少し行くと、左手に八坊塚トレイルの入り口に着きます。
そこから入りますとメインの八坊塚トレイル・シラネアオイの小径となり、沢沿いには多くのシラネアオイの花が季節には見ることができます。
そのまま進むと東トレイルにぶつかり、右へ行くと沼ノ原湿原へと続き、左に行くと斑尾高原のプラザ街に出て、そのまま山の家まで戻れる周回コースとなっております。(約2.2kmでゆっくり回って1時間半か2時間程度です)
もう一つのおすすめコースは「せせらぎトレイル・シラネアオイの小径」で小川の流れる岸辺に多くのシラネアオイが咲き、せせらぎの音を聞きながらシラネアオイの幽雅な花を愛でることができます。途中から左に入ると中央トレイルに侵入でき、そのままゆくと水芭蕉群生地の沼ノ原湿原へと続きます。